閻魔王ヤマ・六道輪廻図
Wheel of Life

★仏教の根本理念である輪廻転生という思想は、チベット仏教では最も重要視される。各寺院の入り口には必ずと言っていいほどこの絵が描かれている。
★まず中心の円には①蛇=瞋、②鶏=貧、③猪=痴を配置し、輪廻転生はこの「瞋賓痴」から発するという根本真理をしめす。
★第二の円環は左右に二分され、左(白色)は善業を積んだものは天界に昇ることを、右(黒色)は悪行の果ては堕地獄であることをしめす。
★この図の大部分を占める第三の円環が六道を描いたものである。12時の位置より時計回りに天界、人間界、餓鬼界、地獄界、畜生界、阿修羅界。阿修羅は天界の甘果を求め、侵略を試み、天界の兵士がこれをしりぞけている様が描かれる。
★最外部第四の円環は六道の原因となる十二縁起を描いている。12時の位置より時計回りに無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、老、死。この円環の内部に在るということで天界といえども輪廻の縁起からは逃れられないことを暗に意味している。

★Opus-189 04/2023 (75 x 55 cm)