日本でも観音菩薩には多くの種類があるが、チベットでも同じでその種類は実に多い。中でもこれは珍しい尊像で、以前ダライ・ラマ法王に謁見した際、この尊像の写真を見せたところ、初めて見る尊像だと言っておられたのを思い出す。私が模写をしたこのタンカのオリジナルは、パリのギュメ美術館に収蔵されており、そこで私は初めてこの尊像を見た。その後美術館の図書室へ行き、作品の写真をコピーし、それを参考に、これを描いたのである。
主尊十一面観音の両脇侍には、文殊菩薩と金剛手菩薩。この、観音・文殊・金剛手の三菩薩は、それぞれ慈悲・知慧・方便という仏教が最も尊重している理念を象徴することから、三体一緒に一枚のタンカに描かれることが多い。
★Opus-16 26/5/1990 (60 x 45 cm)